専門外来について

口腔癌

口腔がん

口腔がんについて

「口腔がん撲滅委員会」を参考にしてください。

沖縄県の口腔・咽頭がん罹患率は全国平均の約1.5倍です。

国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービスによる2014年4月現在の集計結果によると、2008年の全がん患者数の総数は推計749,767人であり、口腔・咽頭がん患者数は推計15,522人と全がん患者の約2%が口腔・咽頭癌です。一方2008年の沖縄県の全がん患者数は5750人であり、口腔・咽頭がんは187人で、沖縄県内の全がん患者の3.2%が口腔・咽頭がんです。

口腔・咽頭がんの約40%が口腔がんです。

頭頸部がんとは顔面から頸部にかけて発生するがんの総称です。2016年の日本頭頸部癌学会の集計によると、甲状腺がんを含まない9,524症例のうち、口腔・咽頭がんとされるものは6,258症例です。口腔がんは2505症例ですので40.7%が口腔がんということになります。
なお、口腔領域に発生するがんの約90%が扁平上皮癌です。

当科の治療成績

当科では原則的に外科的療法を中心とした治療を行っています。
がん治療では5年生存率、すなわち、最初に治療が開始されてから5年間生存している人の割合がどの程度か、ということが治療成績となります。
1985年から2012年までの期間に、当科で最終的に外科的加療が行われた口腔扁平上皮癌患者650症例の5年生存率は下のグラフの通りです。

当科の治療成績

がん治療の流れ

初診で来院された患者様は、まず諸検査を受けることになります。
初診時検査の内容:
血液検査
画像検査(単純X線検査、造影CT検査、超音波検査)
病歴聴取
写真撮影
言語機能検査

画像検査については、造影MRI撮影、PET-CT撮影などありますが、予約状況により院内検査では検査日まで時間がかかる場合があります。その場合には院外施設に協力していただいて画像検査を行います。

画像検査の予定が決まったら生検の予定日を決めます。
生検とは病変の一部を局所麻酔下に採取して顕微鏡による観察検査を行うことで、この検査によって病名が確定します。生検結果は採取日より約1週間で報告できます。
なお、検査結果が良性腫瘍であったとしても腫瘍性病変である以上、手術による治療以外で治癒することはほぼありえません。したがって、全身麻酔下での手術は必須となります。

全身麻酔を行うためには全身状態が良好でなくてはなりません。
このため、既往疾患がある場合はかかりつけの医療機関に対して診療情報の提供を依頼します。また、入院中は院内の当該診療科に管理をお願いすることになるため、各診療科を受診していただきます。
既往疾患がなかった場合でも術前検査で疾患が判明した場合には各診療科受診をお願いしています。

各検査が終了し、資料がそろった段階で、症例検討会での治療方針決定を行います。
現在、当科での治療方針は口腔がん診療ガイドライン・NCCNガイドラインに基づいて決定しています。

入院期間は手術の内容や術後の経過によって大きく変化しますが、最短でも2週間程度の入院は必要になります。


初期口腔がんと診断された症例写真

初期の口腔癌の診断は難しく、口内炎や抜歯後の治癒不全として扱われることがあります。
2週間経過しても改善傾向がない場合は一度専門機関を受診することをお勧めします。
以下に、初期の口腔がんと診断された症例写真を掲載します。
「口腔がん撲滅委員会」の症例写真と比較してみてください。
一見するとどこに病変があるのかわかりにくいことがわかります。

舌癌      口底癌

下顎歯肉癌   上顎歯肉癌

頬粘膜癌    口唇癌