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https://doi.org/10.3892/or.2023.8619

要約

口腔腫瘍は世界中で多くの人が罹患し生命を脅かす重大な疾患であるが、治療法の進歩にも関わらずなお難治性である。口腔腫瘍の中には、腫瘍の発生と進行に重要な役割を果たすがん幹細胞(CSC)という細胞集団が存在する。CSCを検出・特徴づける信頼できるマーカーの同定は、口腔がんを含む固形腫瘍において未解決の課題である。本研究では、16種類のヒト口腔腫瘍細胞株における胎児期特異的抗原3(SSEA3)の発現と性質を調べた。その結果、ほとんどの口腔腫瘍細胞株ではCD44陽性細胞の一部でSSEA3が発現し、SSEA3陽性細胞は増殖活性が高く、幹細胞関連遺伝子の発現も上昇していた。よって、SSEA3は腫瘍の成長を促進することで口腔腫瘍の進行に関与している可能性が示唆された。さらに、SSEA3陽性細胞はタキサン系抗がん剤に対する感受性が高く、SSEA3が口腔腫瘍の治療標的になりうることがわかった。以上より、SSEA3は口腔腫瘍の進行と治療において重要な役割を果たしている可能性が示された。

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