入局を考えている方へ
日本の人口構成の変化に伴い、歯科口腔外科が求められている役割は多岐にわたります。当科では口腔外科のみならず摂食嚥下、障害者歯科などの分野での研修が可能です。また研修期間をとおして医科をはじめとする多職種との連携の流れを習得します。以下のプランはあなたが目指す進路を追求するための1例ですが、個々の状況に応じた適応が可能ですのでご相談ください。
1. 臨床研修医(年0-1)
基本的な歯科医師としての知識と技術を学びます。同時に、口腔外科、障害者歯科、摂食嚥下、周術期口腔機能管理などの分野での理解を深めます。また、沖縄の離島診療所での研修や、学会や地域疫学研究にも参加し学術研究活動にも触れることができます。
2. 後期臨床研修医(年1-2)
臨床研修医から継続して基本的な歯科医師としての知識と技術や、口腔外科、障害者歯科、摂食嚥下、周術期口腔機能管理などの分野についてのさらなる理解を深めます。医員の枠を使用するため採用人数は年によって異なりますが大学院進学者を優先します。この期間中に、麻酔科や他の研修病院での短期間研修が組み込まれることがあります。
3. 認定医取得および大学院(年3-7)
3年を超えて大学に在籍するためには大学院に進学する必要があります。社会人大学院に進学し、同時に医員として当科の診療に関わり認定医取得を目指します。後期臨床研修医から大学院に進学することも可能です。医員の枠は大学院進学者に優先されます。大学院での研究を進めつつ、当科の診療にも関わりますので、大学院で学ぶことにより、臨床から遅れを取ることはありません。
大学院:
大学院では、あなたの興味のある研究テーマを選び、臨床研究や基礎研究で得られた結果をもとに博士論文を作成しますので、論文の執筆方法やプレゼンテーションの準備、発表技術も併せて習得することができます。
日々の臨床で、治療の方法が見つからない、またはメカニズムがよくわからない症例に直面することがあります。そのような挫折から疾患や症例をもっと深く理解したい衝動にかられるときがあります。そんなとき、大学院での探求がこたえてくれます。問題を追究・解決する能力を身につければ、どんな領域であっても活躍できるようになります。得られた成果が歯科のみならず多種多様な専門分野への臨床応用につながることもしばしばあり、研究をやっていて楽しく思えることの1つです。なにより、“今世界中で私達しか知らない”という興奮を一緒に味わいましょう。
認定医:
専門的な歯科医師としての技術と知識を習得します。口腔外科、障害者歯科、摂食嚥下の各認定医の取得に向けて研修を進めます。この期間中に、麻酔科や上述の他の研修病院での短期間研修が組み込まれることがあります。
4. 専門医取得(年6-8)
認定医取得後、歯科医師としてさらに専門的な技術と知識を習得します。口腔外科、障害者歯科、摂食嚥下の各専門医の取得に向けて研修を進めます。この期間中に、麻酔科や上述の他の研修病院での研修が組み込まれることがあります。
5. 大学教員(年8以降 )
学位や専門医を取得後に、大学教員としてのキャリアを継続し、臨床はもちろん、研究・教育を高いレベルで行う能力を修得します。大学病院や関連病院のリーダとなる歯科医師を目指します。この段階での重要な要素として、指導医取得や自分の臨床経験や知識、研究内容を学会や論文発表で外部に発信するスキルを磨きます。
6. 病院やクリニックでの就職(年8以降)
大学院修了後、自身の専門分野に基づいた病院やクリニックでの就職を考えます。あなたの研究と治療技術を活かして、患者さんの治療に対する直接的な貢献を目指します。
7. 海外留学(時期は個々による)
海外での経験を強くすすめます。利点として、朝から晩まで英語のシャワーを浴び続け英語能力(特にhearing, speaking)が上達します。外国に出て、様々な国籍を持つ人々と交わり、文化や考え方の違いを目の当たりにすることによって日本人の長所と短所を客観的に理解することができます。留学中に色々な人と友達になり、様々なところに旅行に行き、その全てが珠玉の思い出となります。留学時期は個々によりますが、大学院の前や後に挿入することも考えられます。当科からの留学候補先として英国オックスフォード大学、英国リバプール大学などがあります。留学によって、研究だけではなく、語学・国際性・人脈など様々なアスペクトにおいて大きく成長することができます。
George Bou-Gharios BSc (Hons), PhD
Professor of Matrix BiologyMusculoskeletal & Ageing Science, University of Liverpool