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背景
唾液分泌低下症の治療には経口コリン作動薬が用いられるが、全身性の副作用により治療が中止されることがある。我々は、ラットを用いて経皮的ピロカルピンの唾液腺皮膚への貼付による唾液分泌への影響と安全性を検討することを目的とした。

方法
ラットにピロカルピンを経口投与(0.5mg/kg)または唾液腺皮膚に局所投与(5mg/body)した。血漿および顎下腺組織中のピロカルピン濃度とともに、唾液量、汗点数、糞便重量を測定した。

結果
唾液量は経口投与の0.5時間後、局所投与の0.5、3、12時間後に有意に増加した。糞便重量および発汗点は経口投与1時間後に有意に増加したが、局所投与では変化は認められなかった。局所投与群の顎下腺組織中のピロカルピン濃度は、投与0.5、3、12時間後に経口投与群よりも高かった。

結論
ピロカルピンの唾液腺皮膚への塗布は、発汗や下痢を誘発することなく、ラットの唾液量を持続的に増加させた。ピロカルピンの唾液腺皮膚への経皮投与は、唾液分泌低下に対する有効かつ安全な治療選択肢となりうる。

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